扁桃炎とは
扁桃炎は、口蓋垂の左右に1個ずつある口蓋扁桃に炎症が起こる疾患です。ウイルスや細菌が原因となって急激に発症する急性扁桃炎と、この急性扁桃炎が慢性化して年に3~4回以上も繰り返されるようになる慢性扁桃炎に分けられます。どちらも症状は似ており、口腔扁桃が赤く腫れあがり、強い痛みが起こります。
急性扁桃炎
口蓋垂の左右に1ずつある口蓋扁桃に急性の炎症が起こる病気です。口や鼻などから体内に侵入したウイルスや細菌が増殖し、扁桃腺が赤く腫れていきます。これに伴い、のどの痛みや発熱を引き起こすことが一般的です。当初は食事中や唾を飲み込むときの痛みだけだったのが、次第に悪化し、何もしなくても痛みが出現することもあります。なお、アデノウイルスによる咽頭結膜熱(プール熱)、A群β溶血連鎖球菌による溶連菌感染症は、学校保健安全法施行規則によって学校への出席停止や登校制限などの措置が義務付けられています。
慢性扁桃炎
抗菌薬による治療を行なったにも関わらず、口腔扁桃などの炎症が3か月以上も続いた場合は、慢性扁桃炎となります。基本的な症状は急性扁桃炎と同じですが、咽頭に膿がみられ、口臭が強くなります。また、肩こりや動悸、食欲不振、頸部のリンパ節の腫れが強まるケースもあります。
こんな症状の方は
耳鼻咽喉科医にご相談を
- のどが腫れてきた
- のどに強い痛みがある
- 唾などを飲み込むときの痛みが強まった
- 首のリンパ節が腫れてきた
- 耳の辺りにも鈍い痛みがある
- 38℃以上の高熱がでた
- 寒気がする
- 全身がだるい
- 関節の痛みがある
- 声がかすれている
- のどの違和感が続いている
など
扁桃炎の治療
扁桃炎の治療にあたっては、まず原因を突き止めます。ウイルス性の扁桃炎の場合は、かぜと同じように対症療法を行います。発熱がみられるときは解熱剤を服用しますし、のどの痛みに対しては消炎鎮痛薬や鎮咳薬を使用します。これによって症状は徐々に快方に向かいますが、慢性扁桃炎となった場合は、扁桃を切除する手術も検討します。なお、扁桃炎を予防するには、うがいや手洗いの励行、健康的な食事を心がけるなど、生活習慣を見直すことも大切です。