舌下免疫療法とは
舌下免疫療法は、アレルギーの原因となっている物質を少しずつ体内に投与することにより、徐々にアレルゲンに慣れていき、アレルギー症状の改善を目指す「アレルゲン免疫療法」のひとつです。従来は、アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が一般的に行われてきましたが、最近は、少量の治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、より簡便に行うことができるようになりました。
保険診療の適用範囲も拡大し、スギ花粉が原因の季節性アレルギー性鼻炎のみならず、ダニ(ハウスダスト)アレルゲンが原因の通年性アレルギー性鼻炎も保険で受けられます。なお、スギ花粉症の場合、スギ花粉が飛散している時期はアレルゲンに対する身体の反応が過敏になっていますので、新たな治療を開始することはできません。他方、ダニアレルギーの場合は、いつでも時期に関わらず治療を始められます。
このような患者様に
お勧めです
- 治療期間が長期にわたっても、アレルギーの治癒を望む
- 飲み薬やスプレーを用いても症状が軽くならない
- 飲み薬だと、眠気などの副作用がひどい
- 花粉症の薬がたくさん必要なので、減らしたい
- まだ若いので、これからも毎年花粉症に悩まされることを考えると憂うつになる
- 数年内に妊娠の希望や予定は無いが、将来妊娠した際に薬が使えないのが不安
- 大学等の受験がスギ花粉症の時期と重なるので、少しでも症状を改善しておきたい
具体的な治療の流れ
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服用の準備
医療機関を受診する2時間ほど前から、激しい運動、アルコール摂取、入浴などは避けておきます。
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問診
医療機関において、まず初めに問診を行い、患者様の症状を確認します。その上で、担当医師から舌下免疫療法の内容についてご説明いたします。
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初回の服用
薬は、毎日1回ずつ服用するのですが、初回は医師による監督のもとで行います。(治療薬をいったん舌の下に置き、一定時間保持した後に飲み込みます。詳しい内容は、治療の際にご説明いたします)
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服用後の留意点
治療薬を飲み込んだ後、5分間はうがいや飲食をひかえます。また、服用後2時間程度は激しい運動、アルコール摂取、入浴などを避けるようにします。
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2回目以降の服用
2回目以降は自宅にて服用します。(なお、副作用がみられた際は、医療機関までお問い合わせください)
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定期的に医療機関を受診
1か月に1回程度は医療機関を受診し、症状に改善がみられるか、または悪化していないかを確認いたします。
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数年間にわたり継続して服用
症状が改善したように見えたとしても、アレルゲンに対する反応が無くなったとは限りません。通常は3年以上の治療が推奨されます。(治療期間は患者様によって異なります)
副作用について
舌下免疫療法による副作用としては、舌の腫れ、口腔粘膜の腫れ、口内炎、のどのかゆみ、耳や鼻のかゆみ、頭痛、耳やのどの違和感、咳などがあります。このような副作用が出たときは、しばらく経過を観察し、症状が治まらないようなときは、当院までご相談ください。